
もともと「卓上サファリパーク」というアイデアがあった。
棒状のサイやシマウマがプランターから生えている観賞用アイテム…というネタで、オモコロの「ドライブレコーダー選手権」でやろうと思っていたが「棒状のサイ」を作るのが難しすぎて断念。

挫折した「棒状のサイ」

このアイデアを「金魚」に改変したのは、鱗なら努力でなんとか作れそうだと思ったからだったと思う。

計画表に書かれている「内臓しあげ」という言葉が不穏すぎる。

具体的な形のアイデアを練っている。

この段階でおおむね完成形をイメージ。
ただ、変わり種として「出目金」を想定していたり、はたまた「わさび」と書いていたり迷走している。

同時期に描いていたアイデアスケッチだが、何をしようとしてたのかよくわからない。

実物制作開始。
最初はアルミホイルに絵具をぬって鱗を表現しようとしていた。

その後、銀の折り紙を穴あけパンチでくり抜いて一枚ずつ貼り付けていく…という途方もない方法に変更。

没になったが、二色の和紙を組み合わせて錦も作っていた。

最初はこの三パターンで試みたが、並べてみると金魚っぽさが薄くなることがわかり、三体すべて統一することにした。
赤白の錦は鱗の素材が異なるため、0から貼り直すはめになって大変だった。


完成。

金魚が生えてくるシーンはこういう方法(段ボールの上に土台を乗せ、その下から手を入れて手動で一本ずつ金魚を動かしながら撮影×3を合成する)で作った。
動画に挿入されている「ぬちゃぬちゃ」という音は、石鹸を手で揉む音を使用。


これを公開後、書籍版「変な家」の制作に入る。










手当たり次第に間取り図を書いてアイデアを練っていったんだな、と思う。
没になったアイデアも多く、特に印象に残っているのが「敵が侵入してから居間に来るまでの時間を稼ぐため、長い廊下が居間を取り囲むようにぐるぐると伸びている」というもの。
「長い廊下」というネタだけを残して、第三章の間取りを作ったような気がする。






間取り先行で着地点を決めずに書き進めたせいで、風呂敷を畳むのに相当苦労した。
結果、ミステリー小説としてはあまりに強引なラストになっしてまったことが(本がヒットしたことにより、自分の評価がそこで固まってしまったことも含めて)とても悔しかった。
以降の本「変な絵」「変な家2」「変な地図」はすべて「変な家」へのリベンジとして書くことになる。


完成間近の図版制作。
「サイン本も出しましょう」と言われていたので、ちょこっとサインの練習もしている。

帯用の写真撮影。
この写真はその後長らく使われることになる。

サイン本を書いているときに思いついた「各国語で書かれたサイン」…さすがにふざけすぎなので没にした。

予約時のタイトルと画像はこんな感じだった。
この動画、公開は2021年だけど、2019年には録音と撮影が完了していて粗編集まで終わっていた。
粗編集バージョン。
「変な家」の制作で三か月くらい新作を出せておらず、この辺で何か公開しないとまずい+でも新作を作る時間がない、という状況のもと、完成一歩手前で放置していたこれを蔵出しした。
間奏パートで事件の概要をUTAUに読ませて逆再生する、みたいなアイデアもあったけど情報過多になるので没にした。


この時期、どういうわけか撮影した「椎茸スモーキング」
気づくと親子(というより母性か)の話ばかり書いてしまうことに気づいて、たまには恋愛ものをやってみようと書き始めたら、恋人でもなんでもない他人を監禁する男の話になってしまった。
トータル20分足らずの、私にしては短いお話だけど当初想定していたストーリーはもう少し複雑だった。

カナがカレンダーの仕掛けによって作った文字は「タフシウ」……一見、どういう意味かわからない。
しかし「ウ」の文字が横長につぶれていること、そして「タフ」を書いた月の後半の日記に「カナが血を吐いた」という内容が記載されていることから、一つの推測が可能になる。
監禁された後、カナは発病していた。進行に気づかないまま、彼女はひっそりと「タスケテ」の文字を発信しようとした。
しかし、体調不良と吐血によって「助かったとしても命は長くない」と察知する。ちょうど「タス」の「ス」の字を完成させるはずだった日、自分の未来に絶望し、助けを求めることを諦めてしまう。
かわりにカナは別の目的で文字を書くことを決断する。
その文字はケントへのメッセージ。復讐の意味を込めた「シネ」の二文字だった。だが、その字を書ききる前に彼女の命は尽きた。結果「シネ」は未完成のまま「シウ」という謎の語句として遺された。
…………たぶんこの展開をやっていたら30分は超えていたかもしれない。悪くはないと思うけど、文字の仕掛けが判明すると同時に意味がわかったほうが怖いと思って現行バージョンに変更した。
ただ、この「絵を通して感情を伝える」というアイデアは翌年の本「変な絵」でフル活用することになる。










写真を見返すと、割とぎりぎりまで「タフシウ」で行こうとしていたのがわかる。

「E・サモンドの絵」は高橋依子氏の「描画テスト」からヒントを得て作った展開だけど、実際に絵を作るのにとても苦労した記憶がある。


ホラーの小道具として絵を描くと、つい「怖がらせようとしている絵」になってしまう。
でも目指すべきは「本人は怖がらせる意図なく描いているが、他人が見たときに恐怖を『連想』してしまう絵」。その人になりきって描くしかない。



加えて、アジアっぽさを消すのにも気を遣った。
アジアというか「漫画っぽさ」というか。日本人が絵を描くとどうしても漫画的な画法になってしまう。


このあたりは結構いい線行ってると思うが、まだ「漫画」が抜け切れていない。

納得できる形に行きつくまでに一週間くらいかかったかもしれない。
ポイントは対象物を極力そのままなぞるように描くこと。しつこいようだけど、日本人は絵を描くとき無意識に「漫画フィルター」を通してしまう癖があるように思う。



ネットで公開する物語としては、これくらいのサイズ感が理想だと思っている。
でも「カナ~」くらいインパクトのあるアイデアはなかなか作れなくて、質を量で補うようにネタを盛り続けた結果、1万字超えが当たり前の長尺ライターになってしまった。

この時期、うさぎのラインスタンプを作ろうと絵を描いていたが、2026年現在まだ完成していない。
漲っていた記憶がある。
イメージもアイデアも溢れていたし、本がヒットしたり「消えていくカナの日記」がバズったりで自信もあった。「ヤツヱメヂキ」以降、長らく続けてきた因習ホラーのノウハウもたっぷり溜まっていた。
そんな中「因習」「不気味な小道具」「古いネット」「間取り」「血縁ミステリー」「親子の愛憎」という自分の得意技を全部ぶちこんだ過去最長の大作を作ろうと取り組んだのがこれだった。
8年間の活動の中で唯一、怖いもの知らずな数か月だった気がする。それ以降はもう、へにょへにょです。



(うさぎ好きだな、こいつ)
大元のアイデアは「家の中に呪物を配置して『呪いエリア』を作る」というものだった。

人形のアイデアスケッチ。
顔をどうしようか迷っている。

実制作。
目鼻口はないほうが異質さが際立つと踏んだのか、紐で縛るだけのシンプルな造形。
ただ、これだといまいちインパクトに欠けると思い、頭の形を試行錯誤していく。


「数珠玉をランダムに散らす」というアイデアに落ち着く。
本物の数珠ではなく、粘土で作ったものをボンドで貼り付けている。





動画制作用にとてもざっくりとしたコンテを作っていた。
最近はもうやっていない。

投稿日の朝、急いでサムネを作るためにビデオテープを撮影。
今はさすがに前日にはサムネを作っているが、この頃は全部がぎりぎりだった。
この年の後半、はじめて広告の依頼が来た。
さすだけWi-FiのPR記事ということで「じゃあ、商材を使って人を殺す話を書こう」となったのは若気の至りだった。
仮タイトルは「恐怖小説アヤカ」……澤村伊智氏の著書をもじったネーミングで結構気にいっていた。



ただ、書き進めるうちにどんどんグロテスクな話になってしまい、さすがに広告案件としては難しいと判断。いったんお蔵入りにして、がらっとテーマを変えることにした。
ちなみに「恐怖小説アヤカ」は3年の時を経てこのホームページで初公開となった。まだ読んでいない方はぜひご覧ください。
ガラっと変わったテーマがこちら。
変わりすぎだろ、と思われるかもしれないが、ある時期まで私にとって料理記事は手堅くウケることができる一種の安牌だった。その上、料理なら一日一食作って四日程度で撮影が終わるし、画像メインで構成すればいいので記事制作も短時間で済む。これしかなかった、ともいえる。





この記事に登場する架空の人物「風松里はこね」はBHBの瀧ヶ崎さんに描いていただいた。
その際、イメージを伝えるために描いたのがこの二枚。病弱な美男子にするか、高飛車な美少女にするかで迷っていたが、病弱ゆえに小食の人をネタ記事の中で扱うのはあまり良くないな、と考えて後者に決めた。
オモコロイベント用に作った歌をリメイクしてYouTubeにアップした。

「舞台」のアイデアスケッチ。
これをもとにBlednerでモデリングした。

この年の暮れは、翌年放送予定だったドラマ「何かおかしい」の原案をあわただしく書いていた。
一日一本、全六本を書かなければならず「もう無理だ!!」と破裂しそうになったとき、M-1で錦鯉の優勝を見て「いや、無理なことなんてないな」と思い何とか完成させたのを覚えている。




「虹色のハンカチ」以外は、映像化に際して大幅にストーリーが変更されたので、いつか自分のオリジナルバージョンも発表したいと思っている。